2021-09-26~10-24 5週連続ワークショップ
JIA北陸支部石川地域会では、継続的に「こどもけんちく塾」を通して、こどもたちに建築の楽しさや面白さを感じてもらい、将来の職業選択のひとつとして考えてもらえるような企画を続けています。
今年のこどもけんちく塾は、「みらいの新竪町商店街をつくろう」です。
第1回は、新竪町商店街の探検です。江戸時代から続くこの商店街は、現在どんな感じになっているのか。骨董品店やギャラリー、カフェなど、古い建物を活用したお店が色々とあり、魅力的で元気な商店街になっているとが分かりました。こども達には、この商店街がさらに楽しく多くの人たちでにぎわう商店街になるために、どんな建物があるといいかを考えてもらいます。みんな真剣に商店街の方の解説を聞きながら自分なりの視点で色んな発見をしてくれました。
第2回
新竪町商店街の探検で色々発見したことを踏まえて設計に取り掛かります。まずは、探検の振り返りを行いました。古い建物が沢山あるのが良かった、木のにおいのするお店が多かった、道が狭かった、オシャレが店が多い、お店の人が優しかったなど色んな発見がありました。こども達には、好きなところや面白かったところを更に良くするにはどうしたらいいのか、嫌いなところを改善するにはどうしたらいいのかを考えてもらい、賑わいある商店街つくりに向け、建築の設計に取り組んでもらいました。
こども達は紙と向き合いながら、色々と思考を巡らせ鉛筆を走らせ色んなアイデアを描いてくれました。
第3回
いよいよ模型作りにチャレンジです。設計で色々とアイデアを出して考えたことを具体的な形へと作りこんでいく作業です。
模型の材料は色んなものが用意されています。
白いスチレンボードに透明な塩ビ板、カラフルなデザインのクロス紙、紙粘土などなど。色んな材料の中から、こども達はそれぞれに思い描くイメージにピッタリ合った材料を選んでいきます。平面から立体を作り出す体験は初めてですが、金沢科学技術大学校(KIST)の学生がしっかりとサポートしてくれているので安心です。材料をカットし、組み立て開始。中々思い取りにならず試行錯誤しながらも
少しずつ形が見え始めてきました。
第4回
引き続きの模型作りです。こども達は悪戦苦闘しながらも納得のできる模型をつくるために一生懸命とり組んでくれました。
壁が立上り、床がつくられ、階段に家具などだんだんと形がつくられていく中で更にイメージが膨らみ、出てきた色んなやりたいことをKISTの学生さんに相談しながら、役割分担してつくっていきます。ここはこんなイメージで、ここはこの色でなどこども達の要望を聞き出しながらの作業は大変ですがだんだんとチームワークも良くなり模型作りは進められます。どのチームもラストスパート全開で黙々と作業が進められ、無事に模型を完成させることができました!
第5回
今回がいよいよその最終回となります。こども達はにぎわいづくりのために、何ができるかを考え、アイデアを出して一生懸命に作った模型のプレゼンテーションをしてくれました。こどもを預かる場所があり安心して買い物ができる複合施設や、今の商店街にない用途で新旧を融合させる新しい美術館、レストランと本屋が一体となった建物など色んな建物を設計してくれました。
みんなの作った模型を並べてできあがった商店街は、とても魅力的で楽し気で、誰もが行きたくなるような商店街となりました。
第1回の商店街の探検で感じたことが、そのままアイデアとなり、形となり、こども達の夢の一杯詰まった商店街がつくれたのではないかと思います。
初めてのプレゼンテーションに臨む前は、みんな緊張した面持ちでしたが、発表が終わるころには安心感に包まれ、大きな仕事をやり切ったような満足感で一杯のようでした。
今回の活動を通じて、少しでも建築の楽しさや大切さ、金澤の魅力などを持ち帰り、大人になった時の人生の選択で建築の道を歩んでくれると良いなと思います。